CT-R625Vオンラインマニュアル

CT-R625Vオンラインマニュアル

目次

仕様

No.項目規格/内容
1電源電圧AC100V(±10%)
2加熱方式その他のヒータ
3ヒータ出力625W
4安全装置温度ヒューズ、ヒューズ、ソフトウェアリミット
5均熱板面最高温度約235℃
6外形寸法W297 * D210 * H110
7対象基板有効寸法W190 * D130(ガラスエポキシ基板の場合:W138xD95)
8プログラム数4
9重量5.5kg

安全にご使用いただくために

設置場所の注意事項

  • リフロー炉は発熱するヒータを含めた装置です。設置場所の周りに可燃性の物を置かないでください。
  • リフロー炉が水平になる場所に設置してください。リフロー中にはんだが溶融した時に傾いた方向に流れる可能性があります。
  • 昇温中、クリームはんだに含まれるフラックス成分が蒸発します。換気の良い場所でご使用ください。
  • 昇温後の外装は高温になる可能性がありますので、お子様の手の届かない場所にて保管及びご使用ください。

使用時の注意事項

  • フタは完全に開いた状態で基板をセットし開閉時に手や指を挟まない様に注意してください。
  • 内部に手や指を入れた状態でフタの開け閉めはしないでください。
  • リフロー炉は250℃以上の高温まで昇温する機器です。ご使用の際にはその場を離れないでください。
  • リフロー中に発生するフラックス蒸気には構成成分によって、吸引すると危険な場合があります。換気の良い場所で使用し、吸引しないように注意してください。
  • リフロー炉は昇温すると大変熱くなります、内箱のフタに45℃以上のサインが出ている場合、手を触れないでください。火傷する恐れがあります。
  • 昇温後、フタをあける際には熱い蒸気が一気に出る恐れがあります。フタをあける際には十分ご注意ください。
  • 昇温後、基板は大変熱くなっております。取り出しの際には保護具の使用又はピンセットなど道具をお使いください。火傷する恐れがあります。
  • フタをあけたままの昇温は大変危険です。昇温中、必ずフタを閉めてください。
  • 本機器はリフロー専用です。その他の用途に使用しないでください。

機能上の注意事項

  • リフロー炉は連続リフローができないように、ソフトリミットで制限されています。次の昇温ができない場合は、十分温度が下がるまで待ってから再度ご使用ください。
  • 本リフロー炉は32℃以上の環境ではご使用にならないでください。
  • 異常昇温防止のため、温度ヒューズを取り付けています。内箱外周が93℃以上で温度ヒューズが反応し、昇温できなくなります。
  • 温度ヒューズの交換は弊社にて行いますのでご連絡ください。交換は有償となります。
  • 本製品でのリフローの品質は保証しかねます。

外観図と各部の名称

番号名称機能
1状態表示LCDヒータの温度、プログラム番号、進行状況、警告の表示
2動作開始ボタンリフロー炉の加熱を開始する。
3プログラム切り替えボタンプログラム1から4まで順番に切り替える。
4リセット・中止ボタン現在の動作を中止し待機状態へ戻る。プログラムをリセットする。
5ヒューズクリップ過電流が流れると切れるヒューズを内蔵、安全装置
6とって外箱のフタを開閉する際に使用するとって
7外箱フタ外装、2重箱構造で断熱効果、直接内箱に触れないための安全装置
8外箱外装、制御系を保護する役割
9内箱フタ加熱する空間を限定、断熱効果
10内箱加熱する空間を限定、断熱効果
11しきり制御系と過熱系を分離、断熱効果
12サーモシールシール装着部の温度が45℃を超えると、赤い㊺の文字が表示される。
13ヒータ炉内の熱源
14均熱板ヒータからの熱を均一に対象物に伝える
15熱電対均熱板の温度を測定し、LCDに表示及び昇温時の温度の基準値として使用する
16電源コンセント110Vの電源を供給

画面表示例

待機画面

動作中画面(昇温中)

動作中画面(温度維持中)​

内箱温度警告画面​

プログラム選択

電源を入れ、待機状態の際にプログラム切り替えボタンを押すことで実行するプログラムの選択が出来ます。

プログラム切り替えボタンを一回押す度に番号が(1→2→3→4→1・・・)と変化していくので、選択したい番号が表示されるまで繰り返し押してください

プログラムの種類

プログラム番号対象はんだの融解温度均熱板の最高温度
1鉛含有はんだ、シート基板用 (又は熱容量小)183℃約195℃
2鉛含有はんだ、ガラス基板用 (又は熱容量大)183℃約205℃
3鉛フリーはんだ、シート基板用 (又は熱容量小)220℃約230℃
4鉛フリーはんだ、ガラス基板用 (又は熱容量大)220℃約235℃

温度プロファイル(参考値)

  • 各プロファイルデータは弊社の実験室で測定したデータです、測定環境により少々変化する場合がございます。
  • 各ワークのサイズは材質別最大サイズを想定しております。
  • 各プロファイルはワークとなる基板の最低温度に近い個所の温度を測定したデータです。
  • 冷却速度は測定環境の影響が激しいため記載しておりません。ファンなどで風を当てるとさらに冷却速度が上がります。
  • 部品メーカの推奨プロファイルと形が異なる場合、部品がリフローできるか確かめてからご使用ください。

リフロー炉の動作手順

①2重のフタをあける。

※フタは完全に開いた状態で基板をセットし開閉時に手や指を挟まない様に注意してください。

②均熱板の上にクリームはんだと部品を載せた基板をセットする。

※基板をセットする際の注意点

基板を昇温するためには均熱板と接触することが大事です。
※サイズの大きい基盤は熱の伝わりが悪いため四隅を耐熱テープで固定してご使用ください。
均熱板は外周より中心、手前側より奥側が高温になります。
シートの大きさなどを考慮し、配置してください。

※基板配置の目安(最大サイズの場合)

ガラスエポキシ基板の最大サイズの場合
熱電対を目安に基板を奥側にずらしてセットしてください。

シート基板の最大サイズの場合
均熱板の中心にセットした時に外周にテープを貼れるスペースがちょうど残ります。

③2重のフタをしっかり閉める。

※フタは完全に開いた状態で基板をセットし開閉時に手や指を挟まない様に注意してください。

開けたまま加熱すると、火傷の危険、有害物質の吸引や、リフロー失敗の恐れがあります。
リフロー中に発生するフラックス蒸気には構成成分によって、吸引すると危険な場合があります。
必ず閉めて使ってください。

④プログラムの選択を行う。

基板と部品の体積や使用するはんだの溶融温度に注意し、PG SELECTボタンでプログラムを選択します。

プログラム番号対象はんだの融解温度均熱板の最高温度
1鉛含有はんだ、シート基板用 (又は熱容量小)183℃約195℃
2鉛含有はんだ、ガラス基板用 (又は熱容量大)183℃約205℃
3鉛フリーはんだ、シート基板用 (又は熱容量小)220℃約230℃
4鉛フリーはんだ、ガラス基板用 (又は熱容量大)220℃約235℃

⑤STARTボタンを押して、リフローを開始する。

リフロー中には炉内温度が最高約235℃まで上昇します。
火災の恐れがありますのでリフロー炉から離れずに、動作を確認してください。

⑥リフロー完了後、炉内の温度が下がるのを待つ。

リフローが終わったらすぐにフタをあけずに、ヒータの温度が100℃以下になるまでお待ちください。
炉内の温度が十分下がったら外側のフタをあけ、温度シールにて内側のフタの温度を確認します。
フタに赤い文字の㊺が表示されてないことを確認し、内側のフタをあけます。

※冷却スピードを上げる必要がある場合、ファンなどを別途ご用意してください。

⑦固定した基板を取り出す。

均熱板が十分冷めていることを確認し、固定した基板を取り出します。​

使い終わった後は必ずコンセントを抜いてください。

保証と免責事項

  • 当該製品に関する弊社の責任は、本書の記載事項範囲とします。
  • 当該製品のご使用により不都合が発生した場合、当該製品の無償修理をもって、保証責任とさせて頂きます。
    但し、両者協議の上で納入者の責任による故障や不具合と判断された時に限ります。
  • 以下は免責事項となります。
    ①.本書の記載事項範囲外の原因により発生した故障や不具合。
    ②.当該製品以外の原因により発生した故障や不具合。
    ③.取り扱いを誤ったことにより発生した当該製品の故障や不具合。
    ④.使用目的変更により発生した当該製品の故障や不具合。
    ⑤.お客様による改造や修理により発生した当該製品の故障や不具合。
    ⑥.ご購入日より1年以上経過した当該製品の故障や不具合。
    ⑦.お客様の保管状態により発生した当該製品の故障や不具合。
    ⑧.その他、天災、災害など弊社側の責ではない原因により発生した故障や不具合。
    ⑨.取り扱いを誤ったことにより発生した、事故等に関する一切の補償。
    ⑩.当該製品の故障や不具合により発生した損失等の補償。
    ⑪.当該製品の故障や不具合により発生した、装置不具合や製品不良、二次的損失の補償。

特記事項

1)ご使用中に異常を確認した場合に、速やかに駆動を停止していただくようお願いいたします。

Q&A

Q1:

昇温プログラムの書き換えは有償であればご対応可能でしょうか?

A:

お客様のご希望の動作などを確認させて頂く必要がございますので、弊社まで
ご連絡をお願い致します。連絡先は、メールの場合:tokiko@createch.co.jp
電話の場合は、0120-974-718 へお願い致します。

Q2:

最高温度を260℃に変更は可能でしょうか?

A:

本製品は、回路基板下の均熱板を過熱し、リフローを行う構造となっており、
現在の温度プロファイル以上の過熱を行うと、回路基板の下面側を傷めて
しまう可能性がございます。そのため、最高温度の変更は出来ません。

Q3:

【対象基板有効寸法】について、H(高さ)を教えていただけませんか。

A:

(1)実装高さ
基板厚含めて12mm以下となります。リフロー炉の構造上、熱容量の大きな部品をご使用の場合、半田付け部の温度がリフロー温度に達することが出来ず、リフローが出来ない場合もございます。

(2)基板厚み
基板厚1.6mmの、両面Cuの基板で動作確認を行っています。

Q4:

温度プロファイルの変更は可能でしょうか?

A:

CT-R625Vの温度プロファイルに関してですが、この製品の仕様上、温度プロファイルはオンラインマニュアルに記載の『鉛含有はんだ、シート基板用』、『鉛含有はんだ、ガラス基板用』、『鉛フリーはんだ、シート基板用』、『鉛フリーはんだ、ガラス基板用』の
4種類のみとなっております。

Q5:

外部からのPC書き込み等を用いて、この4種類の設定以外に設定を作成する方法はございますか?

A:

プログラムで固定となっており、外部制御などでそれらの温度プロファイルを変更する機能は有しておりません。

Q6:

この4種類の設定以外に設定を行う方法はございますか?

A:

お客様にて温度プロファイルを変更する機能は有しておりません。

Q7:

機能評価用に使用している無鉛はんだペーストについて教えてください。

A:

弊社にて使用の無縁はんだペーストは、CHIPQUIK社の SMD291SNL50T3 になります。

SMD291SNL50T3 のデータ
シートはこちらになります。
http://www.chipquik.com/datasheets/SMD291SNL50T3.pdf

Q8:

届きましたリフロー炉開封したところ、中蓋のネジの締めが甘くガタガタします。 不良品でしょうか?

A:

不良品ではございません。この状態で正常でございます。

Q9:

上記の質問の続きです。毎回ネジのポジションを直して使用するのでしょうか?
ネジはどの位置にあるのが正常でしょうか?

A:

位置修正を行う必要はありません。動く状態(がたついている状態)が正しい動作です。
位置ずれは気にせずに、お使いくださいませ。

 内蓋が 熱膨張で延び縮みすることを考慮して、わざとあの部分の接合は緩くしています。
がっちり止めてしまうと、内蓋と外蓋の熱膨張差でひずみが出るなど不具合が起こるため、そういう構造に設計されております。

Q10:

修理の際に必要となるので、簡単な分解手順書はありますか?

A:

分解手順書はご用意しておりません。
内部にAC 100Vの活電部もございますので、絶対に分解されませぬようお願い致します。
またご自身で分解されました場合は、保証の対象外となりますのでご注意くださいませ。
万が一、故障等修理の必要な際には、分解せずにご一報ください。
弊社にて判断し、無償(或は一部有償)にてご対応致します。

Q11:

USBコネクタなどの,より大型な部品の実装を行いたいため現状より長時間高温状態を保つプロファイルが欲しいのですが可能でしょうか?

A:

現状より高温状態の時間を延ばしてしまうと基板温度が耐熱温度を超えてしまう恐れがあるため、お受けすることが出来ません。
熱容量が大きな部品の場合、温度が十分に上がり切らない場合があります。
そのような部品は別途手はんだなどではんだ付けして頂くよう、お願いします。

Q12:

リフロー後、炉内の冷却スピードを上げる必要がある場合、ファンはどこに取り付ければよいでしょうか?

A:

外箱フタを開けた状態で、内箱フタに風があたるように、ファンを設置して下さい。

Q13:

実際の基板の温度プロファイルを外付けデータロガーなどで確認することは可能でしょうか?

A:

本製品は外部出力端子などは持っていませんので、外部からの温度モニターは行えません。

Q14:

外部から熱電対を挿入し、基板温度をプロファイルすることは可能でしょうか。

A:

可能ですが、本製品の内筐カバーにはインターロックが無いので熱電対の取り出しの際、筐体に隙間が空きリフロー温度が変動する可能性がございます。動作保証はしかねます。

Q15:

外側を断熱するための安全カバーなどはオプションで販売されていますでしょうか?

A:

温度に対しては、内筐カバー内に閉じ込める設計になっており、外筐側には熱はほとんど伝わらない設計となっています。
そのため、オプションカバーの準備はしておりません。

Q16:

表面実装部品の、両面実装は可能でしょうか?

A:

ホットプレート方式のため、両面実装のリフローは出来ません。

Q17:

50*50*t1㎜程度のガラスエポキシのプリント基板を中央部に置き、1~4のプログラムを全て試しましたが、 ほとんどの部分で融けません。

A:

基板を置く部分のアルミ板に添うように耐熱テープで固定して使用ください。
使用方法の動画はこちらをご覧ください

Q18:

こちらのようなエラーが表示され電源OFFRESRTボタンなどを試したのですが解除できません。どうすれば解除できるでしょうか?

A:

そちらのエラーは内箱の温度が32℃を超えている状態で表示されるものです。
本機種では均熱版と内箱でそれぞれ異なる温度センサーで計測を行っています。
そのため、LCDに表示されている温度(プレートの温度)が32℃以下でも、(特に室温が高く、放熱効果が弱い際には)内箱が32℃を超え、そちらのエラーが発生し続ける可能性がございます。
空調の効いた部屋に置いて、内箱温度が32℃を下回る状態にすれば、このエラーは解消されます。

解消されない場合(例えばLCD温度表示が28℃以下でこのエラーが発生など)は、内箱の温度センサーに不具合が生じている可能性があります。
その場合は修理対応となりますので恐れ入りますが、ご連絡お願いいたします。